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生きるとは呼吸することではない。行動することだ。

by ルソー

テレビは暴力を加速させる!?hibi-6のリストへ詩歌録〜俺っちは詩を書く!
昔、腹がたったテレビ報道
2002年4月 1日(月曜日) : : コメント数(950)

忘れもしない、当時19歳の俺っちが見たあのニュース報道。悲惨な事件だった。なにより、これがレポーターか?これが人間か?と憤りを感じた事件だった。

単身赴任中の父のいない家で火災が発生した。家には当時小学生の長女、長男、そして母と生まれたばかりの赤ん坊がいた。一階から火の手が上がり、2階にいた4人は逃げ場を失った。火の回りは激しく、2階にまで手が届きそうだ。息を遮る熱い煙と、燃え盛る炎。凄まじい火事だ。

母は、言った…
『飛び降りなさい!』

長男は、その言葉通り、2階の窓から無事飛び降りた。助かった兄は、地上で次に飛び降りた妹を受けとめた。二人とも無事だ。そして兄は2階を見上げて、母と赤ちゃんが飛び降りるのを待った。燃えて崩れ落ちそうな家の2階、見ているだけで目が焼けてしまいそうな業火の中、2階にいる母を待った。生まれたばかりの小さい兄弟を待った。待った。叫んだ。そして待った。

しかし、二人は飛び降りては来なかった。

母は飛び降りることが出来なかった。生まれたばかりの赤ん坊を抱いて飛び降りることが怖かったのか?それとも既に飛び降りることが出来ないほどの負傷をおっていたのか?煙と炎が精神を狂わせたのか?そんな理由を考えることなんて、俺っちには意味がない。ただ、ただ、自分達の心から愛した母と、可愛い、とっても可愛い生まれたばかりの赤ん坊が、自分達の目の前で焼け死んだんだ。

こんな『素晴らしい事件』を世のテレビ局が見過ごすわけはない。翌日には、一斉に取材人が現場を訪れた。そして、あの悪魔のようなレポートが始まった。

その取材人の中、レポーターの1人が病院に押しかけた。助かった兄と妹へインタビューするためだ。頭が狂ってる、あいつら。

同情(するふりを)しながら、ちゃくちゃくとインタビューをすすめる。

『お母さんがあの火の中にいる時、どう感じた?』
『これからお母さんがいないけど、大丈夫?』

昨日、目の前で愛する母と、赤ちゃんを失った。たった8歳と10歳くらいの小さな兄弟に、これから強く生きなければならない兄弟に、人間は強く、そして限りなく弱い生き物であると、10数時間前に知ったばかりの、悲しいほどに小さな兄弟に、この悪魔のレポーターは次々と質問を投げかけた。火事より恐ろしい、同情と報道の仮面を被った人間の醜さ。

現場レポートからスタジオに画面が変わる。スタジオでは、綺麗に化粧を施した出演者達が、鎮痛の面持ちだ。鎮痛の面持ちだっ!!やつらは狂ってる。なぜ、怒らない?『こんな残酷な報道をさせるんじゃねー!』って怒るだろう、普通は…。

彼ら、彼女らは、自分の仕事に誇りを持っているんだろうか?それとも誇りなんて必要ないのか?ただただ、生き続けるためならば。

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