寒さにふるえた者ほど太陽を暖かく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る。 by ホイットマン | ポンコツ君の恩返し 2002年3月14日(水曜日) : : コメント数(0) 今日の朝、俺っちはいつも通り、いつもの道を走っていた。もちろん、愛車カローラと一緒にだ。このボロは本当によく走ってくれるよ。最近、ワイパーも直したから、かなりご機嫌で走ってくれている。 さわやか笑顔で前を見て、ルンルン気分で走ってる。そんな俺っちの前に、だがしかし、障害物を発見!狭い道のど真ん中で、俺っちよりもボロい車が右ウィンカーを出したまま、のさばってやがるのさ。ジャンキー風の運転手は、その横で何やら困り顔だ。 恐らくエンストしたんだろう、と思った俺っちは、車を近くに停車した。ジャンキー運転手は、『車が動かないんだ』と嘆いている。ボロ車の飼い主には時々ある突然のエンスト。夜中だったら、アクシデントを装って犯罪をやらかす輩も多いけど、今は真っ昼間。それに通行人も多いし大丈夫さ。この場を通りすぎるわけにはいかない。 結局、俺っちが後ろから車を押し、運転手がハンドルを取って右に寄せた。これでひとまず、道は通れるようになった。その後、運転手は携帯電話でトーイングを呼んで一件落着。 俺っちも昔、同じようなことがあった。留学してまだ1ヵ月ほどの当時、中古で買った我が愛車カローラが、購入後3日目にしてエンストを起したんだ。そう、そこは犯罪多発国家アメリカ。時は真夜中の2時さ。 携帯もない。近くにガソリンスタンドも民家もない。誰も呼べなかった俺っちは、危険だが最後の手段である『ヒッチハイク』を行った。アメリカでは、ヒッチハイクは法律で禁止されている、なんてテレビで聞いていた。犯罪に利用されることが多いからだ。だが、俺っちはやった。その場所にいると、なにやら殺されそうな予感がしてたまらなかったのさ。 30分ほどでメキシコ人のオジサンを掴まえることが出来た。そしてその日は、無事家まで戻ることが出来た。(しかし、家に着いたら『金をよこせ!』なんて言われたよ。20ドル払った…。) 翌日の昼、当時のルームメイトと共に、我が愛車を止めておいた場所まで行き、俺っちが車を押し、ルームメイトが舵を取った。見渡せば、そこは海沿いの山の中腹、景色は晴れ晴れとして俺っちの帰りを祝福しているかのようだ。 近くのガススタまでは山から下りるだけ。押すのは簡単だ!なんて思っていたら大間違い。坂道を降りると、そこは上り坂だったのさ。フルパワーでも全く進みやしない。 その時、なんと、近くの喫茶店からオバさんが3人、猛烈な勢いで駆け寄ってきた。『ヒッ、襲われる!』なんて思ったのも束の間、そのオバさん達は笑顔で押すのを手伝ってくれたんだ。 無事、ガソリンスタンドまで車を運んで、走る程度に直してもらうことが出来た。喫茶店のパワフルなおばさん達には、とてもとても感謝した。 今日、俺っちが車を押したのは、我が愛車カローラの恩返し。ポンコツ車の、ささやかな気持ちへの恩返しだったのでした。 |
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