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by ゲーテ

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映画のインターナショナルマーケティング
2001年11月13日(火曜日) : : コメント数(5)

映画ビジネスシリーズは結構好評。そして今回は映画のインターナショナル・マーケティングさ。

UCLAエクステンションで、俺っちはこんなことを勉強しているんだ。実際にプロとして、しかもハリウッドスタジオでトップの地位で働いている人達からのお話は、普通の大学よりも実践的で面白い。映画留学をしたいなら迷わず僕はUCLAエクステンションをオススメするね。大学卒業資格はでないけど、授業内容はタメになるものばかりさ。

前回まではディズニー、ユニバーサル、20thFOXなどで、プロダクト・プレイスメントとプロモーションをトップで手がけるケイティー・チンさんの授業を俺っちなりに深めていったつもりです。そして今回は同じ11月6日の授業にゲスト・スピーカーとして来てくれたランディー・グリーンバーグさんの授業を報告するよ。ランディーさんはユニバーサル・ピクチャーズのインターナショナル・マーケティング部門のヘッドさ。ユニバーサル・ピクチャーズと言えば、映画の世界市場でTOPの42%のマーケットシェアを誇る会社(UIP)。その会社のヘッドが映画のインターナショナルマーケティングを教えてくれるんだ!そんな凄い人から教えてもらえるのもハリウッド映画留学の醍醐味だね。でも、俺っちは前回までの日記でエネルギーを使い果たしてしまったようだ。だから、今回は少し内容が浅くなると思うけど、許してね。

さて、映画はアメリカにとって素晴らしい輸出商品だってのは周知の事実。ただ、世界各国に輸出され、そのお金がアメリカに入ってくる、そういう具体的な利益がある一方、アメリカそのものを宣伝する広告としての立場もあるのは間違いないと思うね。

一昔前、イギリスのテレビ局はテレビ番組を制作するのにお金がかかりすぎるのに困っていたんだ。そして、イギリスの各局はアメリカの映画を大量に輸入し始めた。既に作ってあるコンテンツをアメリカから購入したんだね。でもそれによってイギリスが輸入したのは映画だけではなかったのさ。アメリカ映画の影響で、イギリス国民の英語が変化し始めた。イギリス英語はどんどんアメリカの英語に近づいていったんだ。映画を輸入すると同時に、イギリスはアメリカン・イングリッシュを輸入してしまったわけさ。映画が商品としてだけではなく、自国のカルチャーを知ってもらうのによい媒体だってのは、映画の歴史的背景から見ても明らかさ。日本人の異性の好みや、カルチャーの変化がアメリカ映画の影響を受けているってのも、俺っちは確かなような気がするね。

そんな強力なアメリカの映画は、全世界52言語用に翻訳される。字幕(英語ではサブ・タイトルって言うのさ。)や吹き替え(これはダブってのさ)で52言語に対応するようにされるわけ。もちろん日本語もその中に入っているよ。そして100カ国以上の国へ輸出されるのさ。

ただ、映画の輸出って言っても難しい点も多い。その1つがレイティング・システムさ。あの『R指定』とか『PG13』とかってやつだね。子供が見てもいい映画か?高校生が見てもいい映画か?とかそういう基準は国毎に違うわけさ。フランスでは男性や女性のア・ソ・コを見せてもOKなわけだけど、日本とかアメリカでは御法度ってのは有名なカルチャーの違いさ。映画の世界では、公開日や公開パターンを決定するために早めに50以上の映画評価組合(日本で言うところの映倫)に映画を見てもらわなきゃならない。これは大変な作業だね。時には大幅に映画を編集する事もある。そういえば、アニメの『ドラゴンボール』も韓国に輸出される時、大幅に編集されたそうさ。

カルチャーの違いと言うのは何も倫理に触れる問題だけじゃないよね?たとえば、ダウンタウンの笑いが世界共通でないように、アメリカで受ける映画でも日本では受けないものもある。コメディー、アクションコメディー、ラブコメディーってのは世界ではあまり受け入れられない。アメリカの笑いと世界の笑いが共通していないから、世界の配給会社も買うのには慎重になるはずさ。それに、輸出入にはいつも付きまとう為替の問題もある。その点の問題は他の産業と変わらないってわけかな?

つまらないかも知れないけど、ちょっとだけ統計データを見てみようか?おっと待って!あとでちゃんと面白そうなこと話すからさ。ちょっとだけ付き合ってちょうだいね。

2000年度アメリカから世界へ輸出された映画は計230本。ただ、その映画のうち上位25本が世界配給収入の60%をしめる事になる。60 million(約72億円)以上を世界市場から叩き出すのは輸出された映画のうち、たった10本に3本。

そして世界からの収益のうち80%は上位15ヶ国でしめられる。各国語とに人口や映画料金の違いとかもあるから、この15ヶ国が最も映画を見る国だとは言えないね。でも最もお金が儲かる国だってのは言えそうだ。そのうち

ヨーロッパ    55%
アジア      36%
ラテン・アメリカ 9%

国毎に見ると

日本       14%
イギリス     10%
ドイツ      9.5%
フランス     8%
オーストラリア 6%
スペイン     5%

って感じに我が日本はTOPさ。日本人は平均一年に1回しか映画を見ない(日本人の年間映画館入場数は1億2千万人)のに、世界で1番のお得意さんなわけだね。映画入場料が世界で1番高い日本だけに、この数字も頷けるかな?

日本ですこぶる人気のあるブラッド・ピットだけど、アメリカでブラッド・ピットが出た映画の興行はあまり芳しいものではないんだ。この事実からも分かる様に、アメリカでは受けるのに世界では受けない俳優、逆にアメリカでは人気がないのに、世界で見ると人気がある俳優ってのもある。じつはこの俳優毎のランク付けは、ハリウッドの人間はみんなデータを持っているのさ。もちろん、各国の配給会社も持っている(べき)さ。

映画会では俳優にランク付けがなされているんだ。A、B、…とかね。そのAのリストに入った俳優はもちろんギャラも半端ない。

トム・クルーズ
トム・ハンクス

とかだね。このAリストに入る人達はアメリカ国内、および世界市場でも人気にさほど代わりがない。アメリカと世界、両方で受ける事がAリストの条件であるってことが言えるのかな?ちなみに世界市場を考慮に入れて俳優のリストを作るとき、女優がほとんど(もしかしたら1人も)いない。世界の観客は女性スターよりも男性スターで映画を見るかどうかを決めるっていう事実も注目に値するね。実はこれが上で言ってた面白い話なんだけど…ダメ?

映画のインターナショナル・マーケティングってのは、もちろんこのコラム1ページで説明できるもんじゃないよね?そして映画のマーケティングを勉強する時に欠かせないのが、普通のマーケティングの知識だと思う。俺っちが普通のマーケティングのクラスを取っているのはその点を危惧したからさ。

それにこの映画のインターナショナル・マーケティングは今後もっとホットな領域になること間違いナシさ。世界同時公開、デジタル放映とか話題を挙げれば切りがないしね。

そんな中、ランディーさんが言っていたのは著作権の問題。アジアのある地域では映画が放映されるや否や、違法コピーがDVDとなって市場に出回るのさ。映画館側と結託している場合もあれば、映画館にビデオカメラを持ち込んで撮影する場合もある。デジタル技術と著作権の関係は今後もっと深刻な問題になってくるんだろうな。

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